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読了「ifの迷宮」久々の感想文

今年も厳しい暑さの広島原爆の日となりました。
薄れる痛みの記憶と曖昧になるアイデンティティーに心がざわつきます。
9日の長崎原爆の日の前日に今上陛下のお気持ちが表明されるとか、
今この時に何故なのか、市井の個人には解せぬ気持ちの悪さです。
大戦で命を落とした方々や、その後の困難な時代をを暮らした人々、
其々の思いが悔いに変わることが無いようにとだけ願っています。
その後のTVではリオ五輪の華やかな開会式の様子が放送されておりました。
4年後の日本に暮らす皆々は今より幸せになっているでしょうか?
酷く不安になった朝のひと時でした

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ifの迷宮:柄刀 一著

いや~、随分長くかかって、やっと読み終えました。
先日の秋田市への電車利用が無かったらまだ暫く掛かったかもしれません。
文庫本の厚さ2.5cmの長編なので当然ともいえますが、
何せ専門的な説明箇所が多くて四苦八苦でした。
でも16年も前に書かれた近未来小説なのに古臭さは無く、楽しめました。
身重の刑事さんが働き過ぎて身体は大丈夫?とか、突っ込みどころは満載ですけれど、
作者の生真面目ぶりに好感が持てる作品でした。

長すぎるとか重いとか、飽きるとか(笑)そんなレビューが多いようです。
作者との相性が良いせいなのか自分的にはそんな感想は出てきません。
手垢のついた懐かしい本格推理という言葉を久しぶりに拾った感じです。
『3000年の密室』なんかもっと長ったらしい薀蓄だらけですしね!
昭和の時代の松本清張とか横溝正史、水上勉の重苦しさに比べたら類ではありません。
現代全般が軽すぎです・・・まぁ、私メ軽いのも大好きですが

| 読 書 | 13:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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読了「相田家のグッドバイ」

体育の日に絡んだ3連休も弊社は通常営業で何事もなく終了しました。
ラクビーのW杯は真夜中にも拘らず観戦し、久々に気分の良い朝を迎えたりもしました。
出発の際は関係者と報道しか見送りがなかったのに、昨日の帰国時はお祭り騒ぎ、
イヤハヤ選手たちの戸惑った表情が判り易くて面白かったのでした。
大役を果たしたエディー・ジョーンズHCの談話は実に小気味の良いものでした。
TVや新聞の報道では耳に響きの良い部分しか載っていませんが、
その実は自国開催の次のW杯が楽勝ではないとか、人材の補充が容易ではないとか、
真摯に今後の日本のラグビー界を思っている様子が伝わるものでした。
マスコミが流しているのはほんの上っ面で肝心なところは伝えていないのです。
主力選手の好物だとか髪型だとか仕様も無いことを追いかけているだけ・・・、
次の大会時迄現在の高揚感が持続することを願うのみです

このところの日常は実務&家事を淡々とこなし、寒さ対策にと早々に就寝、
当然の如く早起きしてTV体操と健康路線まっしぐらです。
以前は眠れないときは本を読んで寝不足を加速させておりましたが、
視力の低下に伴い無理がきかなくなり、結果的にはオーライな状況です。
それでも日中はボツボツ読み進めてはおります。

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『相田家のグッドバイ』 森 博嗣著

先日読み終わったのはこちら、森博嗣氏の自伝的小説風な一冊です。
ハラハラドキドキは皆無で、ある家族の始まりから終わりまでを淡々と語っています。
森氏のこれまでの作品に触れて来てそれなりに知るところが多かったので、
彼の生い立ちや人生観等、入り易くて興味深く読み進めました。
自分を産み育ててくれた両親を客観的に観察評価し、
その両親から受けた価値観や知らずに身についている生き様もまた分析しています。

不謹慎といわれるかもしれないが、
彼は、両親の死によって、ようやく自然な状態になった。
自然な状態に戻った、といっても良い。


この一文に激しく反応して漠然とした後ろめたさが薄らいだり、
家族であってもなんでも理解し合えるわけではないという一節に安堵する自分がいました。
避けては通れない親の死、そして容赦のない自らの老い、
当たり前なことだから構えることなく過ごしていけばそれで良いと思いましたよ(笑)
生まれる時も死ぬ時も一人、ただ無に還るだけ、
「ありがとう」という言葉を大切にし忘れずにいなければとも思いました。
氏独特の世界観が心躍らせる他の作品とは一線を画しながら、
極めて森博嗣らしい個性的な一冊でした。

地元葬祭企業CMのコテコテの親子関係描写にいい加減ウンザリしていたので、
読後は一服の清涼剤を得た気分でした・・・と最後に毒を吐く

| 読 書 | 15:40 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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甘さ控えめ「つぶやきのクリーム」

巷にクリスマスソングが流れ、子供は良くも悪くも浮かれて当然なこの時期に、
親が子供を道連れに焼身自殺、無理心中を図るとは惨過ぎる事件です。
子は親を選んで生まれてくるという説もあるようですが、
こんな惨劇を知るたびに、それでは余りに理不尽でやりきれないと感じてしまいます。
子に親は選べない…だから親ならば子のために在りたいと強く願う、それが情というもの…。
ただ、子の為を思う親ばかりでないことを知る身が口にすると凄~く嘘臭いのも事実です(爆)

解説がももち(嗣永桃子)だった(>o<)
表紙裏の紹介文~世界の見え方が変わるつぶよりのつぶやき100個

S&MやVシリーズに始まり、少し前まではSFの世界観を楽しみましたが、
近頃はご無沙汰していた森博嗣氏のエッセイ本を読了しました。
とはいっても見開き2ページで1項が100セット、直ぐに読み終えるサイズです。
但し内容的には一気に読み終えるものではなく、時折開いて読み拾うのが合っています。

1)何から手をつけたらよいのかわからない状態とは、
  何でも良いから手をつけたほうが良い状態のことである。

34)英語が喋れなくて困ったことはないが、
  日本語が通じなくて困ったことは数知れない。

35)友達がいなくて困ったことはないが、
  友達の名前が出てこなくて困ったことは数知れない。

62)最近バードウォッチングをしているが、
  鳥の名前を全く知らない。知りたくもない。

こんな感じで森氏の思いつき順、成り行き任せの「つぶやき」に補足文が付いてます。
そんななかで一番森氏らしいと思ったつぶやきは、

33)僕は反省をしたことがない。
  そんな暇があったら対策を練る。

自分は対策どころか、後悔だけに終始していることが多いので耳が痛い一文
理系の作家に魅かれるのは私メがグズグズの文系人間だからなのでしょう。
森氏曰く「世の中は儘ならず精々これくらいのものだと割り切るのが良い」とのことです。
努力いたします(汗)

タイトルは「つぶよりのつぶやき」を英訳して「The cream of the notes」で、
再度和訳して「つぶやきのクリーム」となったそうです。

かおる堂のモンブラン
クリスマスケーキならぬ秋に食べたケーキは甘さ控えめ…画像を発掘

多くの子供たちがクリームいっぱいのケーキを楽しむ聖夜でありますように

| 読 書 | 12:00 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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極上のユーモア「非常識家族」

昨日午後、由利本荘市の市道復旧工事現場で起きた土砂崩れ事故は、
被害に遭った作業員が救出されないままに朝を迎えてしまいました。
一刻も早い救出を願うのは皆同じですが、関係者の方々の心痛は如何ばかりかと…。
連日の雨続きで地盤が緩んでいたのは素人でも想像がつきますが、
今後人災か否かの論争に発展するのでしょうね…多分、きっと。
不明の4名の中に女性が1名、きっと働き者のお母さんなのでしょう。
酷いです。


先日の移動の際読了した文庫本「非常識家族」曽野綾子

一番安上がりな酒肴は何?>>>会話
思わず座布団の一文です
この前振りに漫画家加藤芳郎氏の塩辛の瓶詰めに割り箸の一節がある訳ですが、
この辺りを理解出来る年代若しくは考え方の持ち主は容易に入り込めます。

三世代が一つ屋根の下で、そこそこの距離感をもって暮らす佐藤家。
世間にはインテリ一族と認識されている一家は
某大学名誉教授の祖父、現役教授の父、そして語り手である孫・大介と母と姉と祖母。
大介曰くお金に執着する(笑)暴走老人の祖父は確実に三浦朱門氏がモデルです!

東大法学部卒の人品骨柄の仕分けは爆笑物です。
1)本当に柔軟な頭のいい人…稀種
2)正確に有能に規則をこなす人…生活能力は無い
3)法学部の悪口を言うと怒る人…一番の駄目人間
法学部出身者はほぼ全員が自分を1のタイプと思っているというのが祖父の言い分(笑)
こんな感じで年寄りを錦の御旗に掲げ自由に生きると言い放つ様は、側にいたら苦労しそうです。

言葉遣いの可笑しい面倒くさがり屋の祖母という設定も笑えます。
彼らが自分たちを非常識家族と声高に言うたび、世間一般のずれた感覚が浮かび上がります。
上から目線の過剰な自意識ではなく、一歩外れた位置からあっけらかんと言い放つのです。
飄々と生きるのが理想といった感覚であればすんなりと消化できますが、
こんな孫世代はいないよな~なんて違和感を感じたら無理が生じるかもしれません。

限りなくブラックに近いユーモア満載で小気味よい風刺が効いています。
だって書いたのはあの曽野綾子先生ですもの…楽しゅうございました

| 読 書 | 10:20 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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大沢在昌~黒川博行へ移り気

読書の秋ですが読書は年がら年中、唯一の趣味です。
とはいっても娯楽本ばかりですので人間性の奥行きにはつながらず、
専ら秋は食欲の秋、天高く肥えるばかりで即物的に厚みを増しております。

吉蔵ランチのセルフ・コーヒー
ランチに寄った「吉蔵」で食後のコーヒー

懲りずに大沢在昌氏の旧作を繰り返し楽しんでいます。
ダブルトラップは大沢氏の初期の長編です。
ストーリーの展開や人物像、言回しにも“若さ”が感じられます。
国家に属さない諜報機関という荒唐無稽な設定に突っ込み捲くりでしたが、
同世代ですからその若さ=青さを楽しめるのかもしれません。

文春文庫
芸術の秋にちなんで…再読中

美術品、骨董品に一喜一憂若しくは振り回される有象無象が笑えます。
作者の黒川博行氏は美術大卒の元美術教師ですから専門性に富み、
その内容は微に入り細に入りで興味深く飽きさせません!
トリックや謎解きとは違った人間像を描いている点も安定感があります。
美術・骨董を扱った小説は私の好みド・ストライクなので評価は激甘ですが、
金に目の眩んだ亡者たちの喜怒哀楽が活き活き表現された小気味よい短編集です。

このあとも同氏の「蒼煌」を読む予定、こちらも美術界の裏側のお話です。
一粒で二度美味しいグリコな予感がします(笑)
作家其々の“色”を楽しむ読み方はついつい選択が偏りがちで、
同じ作家の作品を延々と追い続けるというスタイルになってしまいます。
別に誰に迷惑を掛けるわけで無しなのですが、それではいけないかな?とも思ったり
嗜好に柔軟性をもたせ色々読み漁って、引き出しの充実を図るべきなのかもしれないとか、
無駄に悩んでいる暇人なのでした

| 読 書 | 11:40 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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