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維新の油絵師 「川村清雄」展

三連休初日は生憎の雨模様、明日には雪マークも付いていました。
当方は絶賛勤務中ですので影響無しなのですが、雨天曇天は気鬱になりますネ。
昨日からの豊川信金立て籠もり事件が怪我人なく解決して安堵しました。
今後徐々に背景が解明されていくことでしょう。
理不尽にも巻き込まれた方々に、精神的なダメージが残りませんようにと願います。

展覧会リーフ
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp
弐代目・青い日記帳さん「川村清雄」展レビュー★に詳しく載っています。

川村清雄は旗本の嫡男として生まれ、徳川家の給費生としてアメリカに留学し、
のちにベネチア美術学校で本格的な西洋画を学び江戸~明治~大正~昭和を生き抜いた画家です。
東京美術学校出身の近代洋画家達の影に隠れ、忘れられていた洋画家とも言われていました。

今回は旗本川村家の歴史的資料から、留学時代の文書、由来の品々なども数多く、
川村清雄の人生その物を赤裸々に展示したといった趣です。
傑出した幕臣で篤志家の父親には、最後まで彼の画業を理解してもらえなかったようです。
系図に見る武士の系譜の正統性が、画家としての人生を開いたのか歪めたのか…、
きっと清雄にとっては微々たる問題だったのでしょう。
徳川16代他のお歴々や、勝海舟の後ろ盾の大きさと金銭的援助は目を見張るものがあります。
良き時代といえばそれまでですが、ひとえに清雄自身の人柄によるものが大きいと伺えます。
勝夫人にして家の隠し子と言わしめた逸話はその証拠でしょう。
憑かれたように筆を運びながら、大晦日に借金取りから逃げるのが常だった様子といい、
61歳にして長男誕生など波乱万丈の生き様が興味深く、引き込まれました。

IMG_3935.jpg
里帰り公開の「建国」の一部分>>>オルセー美術館蔵

油絵という手法を用いながらも勾玉や剣、鏡など徹底的に日本古来の伝統美を謳い上げています。
画家自身がいかにこの国を愛していたかが伝わってきます。
今の日本人が何処かに忘れて来てしまった感情…かもしれませんネ
一人息子の清衛との揺るぎない親子関係を見ても、いかに情の深い人だったのかが判ります。

形見の直垂
【形見の直垂】>>>一番見たかった作品ですが、展示替えで叶わず無念
SKMBT_C28012112112590.jpg
【蛟龍(こうりゅう)天に昇る】>>>大晦日に勝海舟から百円せしめたという曰くつきの一枚

其の筆力の見事さは類をみず、かの黒田清輝にさえこの人ありと言わしめた人物です。
その作品に相通じるものは決して主張しすぎない穏やかな品格だと思いました。
思うように描けず「ラファエロになれない」と泣いた40男にははっきりいって引きますけどネ
幸薄く亡くなった姉の追悼画も限りなく慈愛に満ち、高邁でした。
どの作品にも厚みのある目出度さが織り込まれており、安心感があります。
日本人らしさを忘れず、常に日本美を追求し描き続けた一人の絵師、
洋画家というよりも、江戸を描き続けた油絵師という横顔がビシビシ伝わってくる展覧会でした。
無理しても観てきて大満足でした

| 鑑 賞 | 10:00 | comments:2 | trackbacks:2 | TOP↑

COMMENT

里帰り公開の「建国」の一部分v-61それは貴重な1枚でしたね!

流出した国の宝を買い戻すために、カレンダーを売って資金にする企画がありました。
10年ほど続けましたが、ほんとかな?疑わしくなってやめました。
修復のためのカレンダー基金も然りv-39


それにしても こういう派閥からハンツケにされた画家の絵って、迫るものが違うなぁ・・・興奮するv-238

| ゆっこ | 2012/11/23 12:12 | URI | ≫ EDIT

ゆっこ 様

いらっしゃいませ~i-264

“派閥からハンツケにされた”>>>爆笑です、浜通り地方は使わないですよね?
確かにその通りですが、繊細な画風に隠れた画力の骨太さが印象的な作家さんでした。
巨匠の名画が並ぶ展覧会に行っても、罰当りな事に時として飽きることもありますが、
今回は最初から最後まで感嘆の連続でした。
「建国」は見れて本当に幸運でした。
私たちの知らないところで、日本の宝がどれ程眠っていることでしょうね!

| 事務方 | 2012/11/23 16:48 | URI | ≫ EDIT















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